レボリューショナリーロード

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで (字幕版)

「燃え尽きるまで」というサブタイトルはちょっと余計な気がします、、、(笑)

過去記事:あと1センチの恋

とか

過去記事:アバウトタイム

とか

過去記事:世界一嫌いなあなたに

と同じようなパッケージ写真だが、中身は全然違って暗い話です。そういうちょっと甘い要素が欲しい人は別の映画を見ましょう。食べ物だと全然甘くないチョコレートです。この映画。

この二人だとタイタニックとかロマンス路線イメージが先行してしまいます、、、

 

大好きなケイト・ウィンスレットがちょっと痛い役を演じている今作なのですが、ちょうど私が普段から考えている事と同じだったのでびっくりしました。

アメリカでも、サラリーマンとして生きていく事にウンザリする人って当然いるんだなーと。(まあ、当たり前なんですが)

満員電車に乗って通勤し、うんざりしてデスクに座る姿が、今の日本のサラリーマンに重なるものがあります。そんな日常に嫌気がさして、パリに行く事を決めるのですが、周りはどこか馬鹿にした風で、、、

 

あらすじ

舞台は1950年代のアメリカ。

フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)は、そこそこ裕福な家庭を築き、子供にも恵まれて暮らしていた。近所の人からも理想の夫婦と評されていたウィーラー夫妻だったが、夫妻は不満を抱えていた。

エイプリルは俳優志望だったが、チャンスに恵まれなかった。フランクはサラリーマンにはなりたくないと思いながら育ったが、現実は厳しく、父親が働いていた会社で働かざるを得なかった。

現実に息苦しさを感じていたエイプリルだったが、ある日結婚当初憧れていたパリに移住する事を思いつく。フランクは馬鹿げた考えだと否定したが、エイプリルに説得され、次第にその気になっていく。

エイプリルの友人で、不動産仲介業を営むヘレン・キヴィングスの息子ジョンは、数学の博士号を取得したインテリだったが、精神疾患を患っていた。ヘレンはウィーラー夫妻に療養の一環としてジョンと会ってほしいと頼む。ジョンは少し変わった男だったが、真実に忠実であるがゆえにウィーラー夫妻の不満を鋭く見抜いていた。

エイプリルに反して、フランクは本心ではパリでの生活が厳しいと感じており、また運の悪いことにエイプリルの妊娠が発覚してしまう。

感想

なんかエイプリルの言動が、自分と重なって食い入る用に観てしまいました。

俳優という志があった頃は、不安ながらも、希望に満ちていた。俳優という夢を諦めてしまった今となっては、何を目指して毎日を過ごせばよいのか分からなくなる。

夫がサラリーマンとして働くことで収入はあるし、子供も健康に育っている。申し分ない家庭ではある。自分は専業主婦で、特に困った事はない。しかし、決定的に何かが足りない。時間だけは過ぎて行き、少しずつ可能性が削られていく焦り。自分はこのままでいいのだろうか? 今まで自分はこのために頑張って来たのだろうか?

エイプリルには新しく希望や夢が必要なのだ。それがパリでの新しい生活だった。

 

それを理解してくれたのは、精神疾患を患ったジョンだけだった。「絶望するには勇気がいる」とジョンは言う。

この言葉の意味はすぐには分からなかった。

多くの人は、絶望的な状況に陥ってもそれを直視することなく、ぬるま湯のような日常に使って満足しているという事なのだろうか。

直視してしまえば、ジョンのように頭がおかしくなってしまう。

ジョンの言葉を借りれば、フランクは絶望する勇気がなく、怖気づいてパリ行きを諦めてしまう。(諦めるべき合理的な理由を次々と作り始める)

フランクの判断がまともな大人の判断なのだろう。もちろん、理性では分かっているが、どうしてもエイプリルに加担してしまった。

 

物語の最後で、ジョンの両親(キヴィングス夫妻)の会話シーンが挿入される。夫は妻のつまらない話を補聴器を切って、聞かないようにしている。うまくいっている(?)一応離婚せずに続いている夫婦は、相手の話を聞いていないというシーンなのだが、これが物語全体への皮肉となっているのだろう。エイプリルもジョンも絶望を直視する勇気があったがために破綻した。しかし、現実を直視せずうまく思考停止している人間は社会でうまくやっていける。(それが幸せかどうかは分からない)

私はジョンやエイプリル側の人間(自分で勇気があるとかいうのはかなり痛いんだけれど)なので、ちょっと観ていてしんどかったです。(笑)

共感度          ☆☆☆☆☆
憂鬱度          ☆☆☆☆☆
おすすめ度 ☆☆☆☆

2017年で最もグッと来た映画ベスト4 + 1

番外編

ゴースト・イン・ザ・シェル (字幕版)

賛否両論ありますね。個人的には面白かったんだけど、原作をよく知っているということもあって、バイアスがかかっているのは間違いないです。

アニメからの実写だと、細かい動きの描写なんかがちょっとアホっぽくなる(戦闘アクション系)のは否めません。どう頑張っても、アニメーションの理想的な動きにはならない。だから、原作を観た事がある人とそうでない人で感想が分かれるのかもしれません。

 

B級映画館はありますが、ビートたけしと桃井かおりが出ているので、(ちなみに桃井かおりは英語で出演してます。)日本人は一度観てみると面白いのでは??

評価

ファミリー  ☆

キッズ    ☆

ヤング    ☆☆☆

カップル   ☆☆

マニア    ☆☆☆☆☆

 Best4 美女と野獣 (字幕版)

エマ・ワトソンが好きなら是非観ましょう!いやー可愛かったなー。ベルのイメージにまさにぴったりでしたね!

全体的にミュージカル風なんですが、お話自体がしっかりしているので、誰でも楽しめる映画になっていると思います。

野獣のライバル役のガストンもいい味出してて、目立ってます。ちょっとイケメン過ぎて、ベルの言う(ガサツな男)感を感じなかったんです。(笑)

黄色いドレスも素敵です!(個人的には町娘の衣装が良かったんだけれど)

家族で観ても、カップルで観ても、楽しめる映画だと思います!

評価

ファミリー  ☆☆☆☆☆

キッズ    ☆☆☆

ヤング    ☆☆☆☆☆

カップル   ☆☆☆☆☆

マニア    ☆

Best3  怪盗グルーのミニオン大脱走 (字幕版)

 

字幕版よりも吹替版の方が楽しめるかもしれません。(ちなみにいつもは字幕版しか観ない私も、吹替版で観ました)鶴瓶師匠がグルーやくにぴったりとハマっていますね。

やっぱり日本のアニメの中性的なイケメンより、私はグルーみたいなおっさんの方が安心します。(笑)

 

敵キャラのバルタザール・ブラットにスポットが多めに当たっていた印象でした。調べてみるとアレは80年代ファッションらしいです。アメリカ人の親御さんは笑えるネタなんですかね? 私はちょっと??でしたが、憎めないキャラでした。

 

グルーの双子のドルーが出てくるんですが、字幕版のキャストは両方(グルーとドルー)ともにスティーヴ・カレルが担当しているようですね。

なんで両方とも鶴瓶師匠にしなかったんだろう、、、(笑)

評価

ファミリー  ☆☆☆☆☆

キッズ    ☆☆☆☆☆

ヤング    ☆☆

カップル   ☆☆

マニア    ☆☆

 

Best2パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 (字幕版)

 

オーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイは最後の方にちょびっとしか出て来ないのが残念だが(笑)

新しいキャラクターで、スペイン艦隊の亡霊アルマンド・サラザール役が私の大好きなハビエル・バルデムでした。

 

完全に運に見放されたジャックは物語当初、いろいろなひどい目にあうわけですが(ギロチンで処刑されそうになったり)、いつでもユーモアたっぷりで悲壮感は全然ありません。そこがまたいいですよね。

 

今回、キーになる人物はかつてのライバル、キャプテン・バルボッサです。こっちの方が、ピーターパンとかの童話からイメージする海賊に近いような気もしますね。バルボッサの秘密が明らかになったり、ジャックとバルボッサが共闘したり、熱い展開でした。

評価

ファミリー  ☆☆☆

キッズ    ☆☆

ヤング    ☆☆☆☆☆

カップル   ☆☆

マニア    ☆

 

Best1ラ・ラ・ランド(字幕版)

今年のマイベストはコレですね!

ちなみにあのシーンは一瞬で終わるので、よく見ていないと気がつきません。(笑)

エマ・ストーンとライアン・ゴスリングの組み合わせは、「ラブ・アゲイン」でも見ましたね。今回は、しんみり終わってしまいますが、、、

ライアン・ゴスリングは、こういう「寅さん的な」背中で演技するのがうまい俳優だなーと思います。お互い夢は叶えたけれど、、、最後のシーンは男はライアンの表情に、女はエマの表情にうるっときます。

黄色いドレスもすごくいいです。今年は流行りだったんですかね??(流行に疎い私は全然わかりません)

評価

ファミリー  ☆

キッズ    ☆

ヤング    ☆☆☆☆

カップル   ☆☆☆☆☆

マニア    ☆

 

 

いかがでしたでしょうか?

娯楽が溢れている世の中ではありますが、面白いものって意外に少ないですよね? 休日、暇だと思った時に映画を観るのは選択肢の一つだと思います。皆様の映画選びの参考になれば幸いでございます。

マッチポイント

マッチポイント (字幕版)

 

   端的にいえば、プロテニス選手がお金持ちと結婚して、逆玉の輿って話。そこに、浮気やら殺人やらのドロドロした要素が上手くブレンドされていて、昼ドラっぽい展開なんだけれども、外人が演じているとダサくは見えないのが不思議なところだ。

あらすじ

  元プロテニス選手のクリス(ジョナサン・リース・マイヤーズ)は、テニスクラブのコーチの仕事をしていて、上流階級のトムとテニスを通して親しくなって行く。トムの妹のクロエと結婚する事になるのだが、トムの婚約者でアメリカから来たノーラ(スカーレット・ヨハンソン)と出会ってから、彼女の事が気になり始めてしまう。

クロエと結婚生活を送り、クロエの父親の会社で働きながら、時間を見つけてノーラと密会するクリスだったが、皮肉な事に妊娠を望むクロエではなく、ノーラが妊娠してしまう。ノーラは中絶を拒否し、なんとしても子供を産むと主張する。

クリスは次第に身動きが取れなくなって行き、、、

 この映画の魅力

主人公のクリスが劇中で友人にこう呟く。

金持ちの生活はクセになる

このセリフにあるように、劇中で出てくる上流階級の暮らしは見どころの一つだ。眺めのいいマンションに住み、会社では役職を与えられ、休みは家族で別荘で過ごし、ハンティングに興じるというなんとも羨ましい生活だ。

主人公のクリスは、クロエの社会的地位やお金に惹かれたが、容姿はノーラが好みであったようだ。映画全体としても、ノーラ(スカーレット・ヨハンソン)の妖艶な美しさに焦点を当てている。ノーラの顔をアップで映しているシーンや、雨に濡れたノーラをクリスが追いかけるシーンなど、引き込まれるような「美」をノーラ(スカーレット・ヨハンソン)が担当しているのだ。

個人的にも、「アレ!?スカーレット・ヨハンソンってこんな感じだっけ?」とびっくりした。

彼氏は歳上に限るなど、物議を醸し出す発言の多い彼女だが、人を惹きつける魅力のある彼女が言うからこそ、話題になるのだろう。

そんなスカーレット・ヨハンソンが本作では魅力の一つとなっている。

 全体として

クリスがどんどん追い詰められて行く様子は、ハラハラして観るのが辛く、結末の前で一旦切って2回に分けて観ることとなった。笑

その辺が「マッチポイント」なのかなーと思って観ていたが、最後にどんでん返しもあり、非常に満足する内容だった。

暇でつまんないなー、なんていう休日に観ることを是非ともおすすめしたい。

ザ・ファーム

ザ・ファーム/法律事務所 (字幕版)

 

パッケージのトム・クルーズがかっこいい。
 ミッションインポッシブルを始めとして、トム・クルーズの役回りは一貫しているように思う。スーパーマンではなく、普通の人が困難をなんとか乗り越えるというコンセプトに基づいているためか、記憶に残っているトム・クルーズは、いつも苦しそうな顔をしている。
   今回は弁護士の役なのだが、法廷のシーンはなく、かなりヤバい事件に巻きこまれた主人公が戦うアクション・サスペンス映画だ。

   あらすじ

   ハーバードロースクールを卒業したミッチ・マクディーア(トム・クルーズ)は、メンフィスにある法律事務所から破格の年俸を提示され、就職を決める。
   妻はメンフィスという土地や家庭的な法律事務所があまり気にいらないようだったが、ミッチの説得により、しぶしぶという感じで納得する。
     ミッチは就職してしばらく経ってから、事務所の不審な動きに違和感を感じ始める。そんな中、事務所の同僚2人が、ケイマン諸島で事故死したと連絡が入り、一気に雲行きが怪しくなる。
   FBIの職員がミッチに接触し、ケイマン諸島の2人は事故死した訳ではないと教えられ・・・

   この映画の魅力

  今回はトム・クルーズも頭脳労働に勤しむ役かと思って観始めたのだが、事務所の上層部が明らかに不穏な空気を出し始めたあたりで、これは単なるリーガルドラマではないぞ!と非常にわくわくさせられる。
   入ってはいけないと言われた場所にこっそり入るとか、やってはいけないと言われた事をこっそりやる時、見つかってしまう恐怖感と同時に、なんだか難しいゲームに挑戦しているような、好奇心を掻き立てられる。
    物語全般に於いて、ミッチは非常に拙い立場に立たされるのだが、頭脳と身体能力を上手く駆使して、追っ手から逃れる。
   全体を通して、ちょっと目を瞑ってと耳を塞いでいたくなるような、ハラハラするシーンが多く、そこが好きな私としては満足のいく内容であった。

全体として

   ケイマン諸島でのパーティーの様子や、高い年俸、美人の奥さんなど前半のハイソサエティな描写から後半の落としっぷりが凄い。また、主人公のミッチもあまり公に出来ない秘密を抱えていて、ミッチ以上に、映画を観ている観客が、「この状況は拙い!」と感情移入して鑑賞する事が出来る。アクションの派手さはないが、ジワジワ追い詰められて、次の展開が気になる映画だった。
ハラハラするのが好きな人にはとてもおすすめだ。
ドキドキ度         ☆☆☆☆☆
リーガル度         ☆
アクション度     ☆☆
   一応、弁護士設定なのでアクションは少なめだ。また、弁護士なのを忘れてしまうくらい、弁護士系の描写は少ない。

 

ホリデイ

ホリデイ (字幕版)

大分前に視聴したのだけれど、ずっと感想を書きたかった。

マイ・インターンなどで有名なナンシー・マイヤーズ監督作品。

ジュード・ロウやキャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレットやジャック・ブラックなどキャストも豪華だ。ケイト・ウィンスレットといえば、タイタニックのイメージだが、恋人役にスクールオブロックのジャック・ブラックを持ってきたのは上手い采配だと思う。

  あらすじ

ロンドンの新聞社で働いているアイリス(ケイト・ウィンスレット)は、恋人だと思っていた同僚のジャスパーが、他の女性と婚約したことを知る。

一方、アメリカの映画の予告編を制作している会社を経営するアマンダ(キャメロン・ディアス)もまた、夫の浮気を知り、離婚を決意する。

遠く海を隔てた無関係の2人を結びつけたのは、インターネットの「ホームエクスチェンジ」サイトだった。

悲しいのに涙が出ないアマンダだったが、インターネットを検索していると、イギリスの田舎町にある素敵な家が目にとまった。その家は、アイリスが住んでいる家で、連絡を取ってみると、同じく恋愛で躓いたアイリスが、環境を変えたがっていた。

  この映画の魅力

ナンシー・マイヤーズ監督の作る映画は、インテリアがいいと言われる。確かに、登場人物がよく馴染んでいるというか、もの言わぬ背景によって、そのキャラクターの背景が語られているようなところがある。

例えば、映画の予告編制作で成功したアマンダの家は、広くて綺麗で、オシャレでソツがない。ビジネス的な成功者の住む家だが、何かが足りていないような感じがする。物質的には満ち足りているが、その反面、大切な何かが欠落している。

一方、アイリスの家は、小さいが彼女の好きなものが置いてある、趣味のいい家だ。アイリスの優しい性格を表しているかのようだが、どこか脆く、都合よく、利用されやすそうな部分もある。

ジャスパーに都合よく利用されていたアイリスだったが、遠く離れたロサンゼルスの地で、アイリスは開放感を味わう。アマンダの友人のマイルズ(ジャック・ブラック)がそこを訪ねてきて、新しい新鮮な空気が、アイリスの人生に吹き込む。

また、アマンダもアイリスの兄であるグラハム(ジュード・ロウ)と出会い、以前と状況が変わり始めたと感じる。

恋愛関係の失敗は、非常に痛手ではあるが、前に進めば、また新しく楽しい未来が見えて来る、その瞬間を映画中で上手く捉える事に成功している。

偶然発生したハプニング(ジャック・ブラックがケイト・ウィンスレットの胸を触ってしまう)なども、そのまま使用しており、キャストは大物ばかりにもかかわらず、等身大のキャラクターに見える点も、観客を映画の世界観に入り込みやすくしている要素の一つだ。

全体として

爽快度                        ☆☆☆☆

ラブストーリー度    ☆☆

オススメ度                ☆☆☆☆☆

ラブストーリー的には、突然イケメンが現れるなど、ちょっと現実離れしすぎている気もする。しかし、いきなり海外の知らない人と家を交換するなど、突飛な行動をとるストーリーなので、あまり違和感は感じなかった。

最近のAirbnbに見られるように、ホームエクスチェンジという要素が題材として面白い。

日々のマンネリした気分を吹き飛ばしたい人にオススメな映画だ。

アバウト・タイム

アバウト・タイム ~愛おしい時間について~ (字幕版)

 

レイチェル・マクアダムスが可愛くて、観ることに。

昔は海外の女性に多い、ふっくらした二の腕が苦手だったのだが、最近は歳を重ねたせいか、その辺も含めて魅力的に思えてきた。レイチェル・マクアダムスは、どこか母性を感じさせる雰囲気のある女優だ。この映画も、子供が生まれたりして、母親の役をしているのだが、理想の母親といった感じである。

 

パッケージは恋愛映画っぽい(その方が受けがいい?)が、内容はどちらかと言えば、家族愛みたいなものがテーマとして全面に出ているように思う。特に、ビル・ナイ演じる主人公のパパが魅力的だ。あんなお父さんがいれば、人生すごく楽しいんじゃないだろうか?

 

ただの日常系ドラマに終始せず、ちょっと不思議な力を持つ主人公という設定も、すんなりと馴染んでいて、なんだか心地良い映画だった。

 

あらすじ

 

イギリスの田舎に住むティム(ドーナル・グリーソン)は、父(ビル・ナイ)と母(リンゼイ・ダンカン)、叔父のデズモンド(リチャード・コーデリー)、妹のキット・カット(リディア・ウィルソン)と暮らしている。

21歳になったとき、父から呼び出されて、一族の秘密を告げられる。一族の男は、タイム・トラベルが出来るのだと父は言う。

夏になると、妹キット・カットの友達のシャーロットが夏休みを過ごすため、家に滞在するようになる。ティムはシャーロットを意識するようになり、シャーロットが帰ってしまう最終日に告白するも、うまくいかなかった。もっと早く告白してくれれば、と言うシャーロットの言葉を真に受けたティムは、タイムトラベルを駆使して、再度シャーロットに告白するが、結果は同じであった。

夏が終わると、ティムはロンドンに出て弁護士を目指す。父の知り合いで、人間嫌いのハリーと一緒に住む事になる。ある日の夜、ティムは暗闇で相手の顔が見えない、変わったレストランで遊んでいた。店を出た後、女性を誘おうと試みるが、一体どんな女性が出て来るのかドキドキしながら外で待つティム。後から店を出てきたのは、ハッとするような美人だった。彼女は出版社で働くアメリカ人女性でメアリーという名前だった。メアリー(レイチェル・マクアダムス)から電話番号を聞く事に成功したティムは、心を躍らせながら帰路に着いた。

家に帰ってみると、脚本家のハリーが劇の公演がうまくいかずに落ち込んでいた。ティムはタイムトラベルの力を使って過去に戻り、劇を成功させた。

タイムトラベルの力を使ったせいで、メアリーの電話番号が消えている事に、ティムはこのときまだ気付いていないのだった。

 

この映画の魅力

 

監督は、ラブ・アクチュアリーのリチャード・カーティス。日常のちょっとした喜びを撮影するのがとてもうまい。

でも、今回はなんとタイムトラベルものだった。あまり日常とは言えない要素を持ち込んではいるが、仰々しさや子供っぽさは無く、いい感じにストーリーに馴染んでいるところがすごい。

何度も過去をやり直すことができる主人公なわけだが、その力が逆に、今目の前にある日常がいかに素晴らしいものであるかを理解させてくれるのだ。

 

外人と言えば、日本人よりも全然コミュ力が高いという先入観があるが、ドーナル・グリーソンはどちらかと言えば隠キャの方に入るだろう。タイムトラベルでティムを知らない事になっているメアリーに、必死にアプローチする姿はちょっと痛々しいが、妹のキット・カットはなんとか兄が頑張れるように応援してくれる。日本にはない、ある意味、欲望に正直な人間関係も、海外の映画をみる上での一つの魅力だ。

 

個人的には、ティムがメアリーの父親にオーラルはまだしていません(だったかな? ちょっとうろ覚え)と空気を読めずに言ってしまうシーンが一番面白かった。笑

メアリーは家柄が割と厳格らしく、父親は相当怪訝な顔をするのだが、映画としては笑いどころなのだろう。

 

全体として

 

ラブ・アクチュアリーに関してもそうなのだけれど、監督のリチャード・カーティスの目には、この世界はまんざら悪くないものに見えているのだろう。悪い事もまあ起こるけれど、全体としては楽しいよね、というような。そうした雰囲気が、まあ私のようなダメ人間でも、明日からまた頑張るかなーという気にさせてくれる。この映画を観終わったあとは、ちょっと誰かに優しくしようかな、と思ってしまう。

 

おすすめ度    ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

元気出る度    ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

SF度       ⭐︎⭐︎⭐︎

 

土曜日の晴れた昼なんかに、時間が空いていたら観ることをおすすめする。きっと休日がいい気分で過ごせることだろう。

 

ガールオンザトレイン

ガール・オン・ザ・トレイン (字幕版)

 自分自身、あまり幸福とは言えない事が多かったからか、傷を負ったどこか訳ありな主人公を見ると安心する。子供の頃は、なにかと爆破とか銃撃戦のある映画が好きだったが、大人になるとちょっと訳ありな主人公じゃないと物足りなく感じてきた。
 エミリー・ブラントは硬派な女優といったイメージだったから、今回のアルコール中毒者の役はちょっと新鮮だった。
 役者というのは凄いもので、本人の性格とは別のイメージ、印象を他人に与える事ができる。エミリー・ブラントがどういう人かはさておき、映画の中では本物のアルコール中毒者に見えた。
 アルコール中毒者は、本当に酒が好きで堪らないという訳ではない事が多い。どちらかといえば、リストカットに近く、自分自身を痛めつける行為の一環として飲酒量を増やしてしまう。
 結婚や恋愛など、現実の生活での悩みからアルコールに依存してしまうのだろう。苦しみを、一時的に忘れる事ができる。

あらすじ

 失業中のレイチェル(エミリー・ブラント)は、電車に乗って職場に行くふりを続けている。居候させて貰っている友人はレイチェルが、解雇された事をしらない。
電車の中で、レイチェルは元夫のトム(ジャスティン・セロー)の現在の暮らしや、その近所に住むヒップウェル夫妻の暮らしを覗き見する事が習慣になっていた。レイチェルにとってヒップウェル夫妻は理想の夫妻に思えた。
 一方、メガン・ヒップウェル(ヘイリー・ベネット)は、産んだ子供を浴槽で溺死させた過去があり、そのトラウマから逃れようと、アブディック医師のセラピーを受けていた。
 ある時、電車に乗っていたレイチェルは、メガンの不倫現場を目撃する。レイチェルは、ヒップウェル夫妻を理想の夫婦だと思っていたレイチェルはショックを受け、また、メガンに対して怒りを感じた。メガンを叱責しようと思い立ったレイチェルだったが、酒を大量に摂取していた為、途中で気を失ってしまう。
 目を覚ますと、レイチェルは自宅にいた。記憶は殆ど残っていない。そこへ、ライリー刑事がやって来て、メガンが行方不明になったと知らされるのだった。

この映画の魅力

 推理小説の雰囲気が好きな人は、楽しめる内容になっているのではなかろうか。BGMのない中、登場人物の落ち着いた語りにどこか心が癒される。
 レイチェルは結婚に未練がある「痛い女」そのものだが、社会から爪弾きにされながらも、前を向いて行動しようとする。ジメジメと部屋に引きこもる事もなく、外界で起こっている変化を察知して、行動を起こす勇敢さを持ち合わせている。(そのやり方が周りの人に全然受け入れられていないあたりが、痛いところではあるのだが)
 また、アメリカ社会ではセラピーというものが一般的に受け入れられているようで、登場人物の何人かは、アブディック医師のセラピーを受ける事になる。
 個人的には、このセラピーの描写が好きだった。海外ドラマにおいて、セラピーはよく登場する要素で、セラピーを受ける側は、お金を払って話を聞いてもらうお客様の立場にあるのだが、日本のような「お客様は神様です」思想はなく、医師はリラックスした状態(日本でこんなことをすると怒られるような体勢)で診察するし、相手を持ち上げる様子もない。隠している事があれば、容赦なく、あくまで論理的に、「それが扉を開けるキーなんだ」と言わんばかりに追求する。(おまけに社会的地位もそれなりに高そうで、経済的競争からある程度独立しており、おしゃれな家に住んでいる)
 メガン役はヘイリー・ベネットという女優なのだが、マッチポイントに出ていた頃の、スカーレット・ヨハンソンのような妖艶さがあって、非常に美しい。メガンは過去のトラウマから子供が嫌いなのだが、ベビーシッターの仕事をしていたり、美しさの裏側にある毒のようなものも、うまい具合に表現されていた。

全体として

 ある程度経験を積んだ大人は、楽しく鑑賞できる映画なのではないだろうか。10代20代が見てもあまり面白くないかもしれない。
 それにしても、マッチポイントに出ていたスカーレット・ヨハンソンも、本作のヘイリー・ベネットも、外見は非常に美しい女優なのだが、物語の中でストレスを抱えて、ヒステリックに泣きわめく姿は醜く見えてしまった。(海外の女優は、そういった人間臭さも表に出してしまうところがすごいと思う。日本の女優だと、なかなか涙と鼻水でぐちゃぐちゃというところまではいかず、アイドルのパッケージ感を残したままだ。一般的にどちらが良いかはなんとも言えないが、私個人としては、世間体に侵食されたものよりも、そうした人間臭さのある海外の女優の方が好きなのだが)
大人度        ☆☆☆☆☆
陰鬱度        ☆☆☆☆☆
ストーリー      ☆☆☆☆☆
オススメ度(一般的な)☆☆
オススメ度(個人的な)☆☆☆☆☆
 一般受けは明らかにしなさそうだが、かっこいいスーパーマンみたいな登場人物よりは、等身大で影を抱えた登場人物を見ている方が落ち着くという人は、この映画を一度ご覧になって見てはいかがだろうか?

 

マトリックス

マトリックス (字幕版)

 映画版攻殻好きとしては、一度観てみたい映画だったので、今回チョイスした。
 まあ、感想としては、なんでそっちに行った?という感じ。

 宇宙船いる??笑

 仮想現実を作り出しているものの正体が、アレだったのはちょっと面白かったが、なんのためにあんなものを作ったのかといえば、アレのためとはイマイチ説得力に欠けるというか、アホっぽく感じた。
(一応、ネタバレは避けます)
 もう少し、子供の頃だったら純粋に楽しめたのかもしれない。
 サラリーマンになるとなんか別の事が気になってしまう。
 よくも悪くも思い描いていたマトリックスとは違う映画だった。

あらすじ

 ハッカーのネオ(キアヌ・リーブス)は、ソフトウェア会社に勤めるサラリーマンをしながら、ハッキング行為によって金を稼ぐという裏の顔を持っていた。
ある時、うたた寝をしていたネオが目を覚ますと、パソコンのコンソール上にメッセージが表示されていた。ネオはメッセージをたどり、トリニティ(キャリー=アン・モス)と出会う。トリニティに、エージェントに監視されている事を告げられ、不安になるネオ。
 ネオはオフィスで、自分宛の荷物を開封する。荷物には小型の電話が入っており、モーフィアスと名乗る人物から連絡が入る。
と、そこにエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィーヴィング)が現れ、身の危険を感じたネオはモーフィアスの指示通りに逃げるのだが、、、

この映画の魅力

 個人的な恰好を多分に含むと、ちょっと陰気な男がなんらかのメッセージに気づいて引かれていく前半は良かったと思う。カンフー辺りまでは陰鬱でよかった。笑
 キアヌ・リーブスをはじめ、登場人物はサングラスの似合う役者ばかりだ。スタイリッシュでかっこいいし、出てくる銃も男としてはロマンを感じる。
有名な「あのシーン」を見た時は、ここでアレに繋がっていたのか!と素直に感動した。
また、黒い背景に緑色の文字は、攻殻機動隊からの影響だと言われている。だからといって、攻殻と被る要素もなく、独特のセンスを楽しめる。

全体として

かっこよさ       ☆☆☆☆☆
B級度               ☆☆☆☆
おすすめ度       ☆☆☆
 宇宙船あたりがちょっとB級映画っぽく感じてしまったが、単に古いからそう感じただけかもしれない。戦闘シーンとかはもう少し時間を削って、テンポよく見せた方がいいようには感じた。ミッションインポッシブル2とかもそうなんだけど、戦闘シーンが長すぎると、興ざめするというか、ベストな尺ってあると思うのだ。
 ただ、コスチュームやコートの内側が銃だらけといった描写はかっこよく、戦闘シーンも多いので、あまり頭を使わずに観られるところが◎

あと1センチの恋

あと1センチの恋(字幕版)

 

 正直、邦題は「なんでその名前にした?」みたいなのが多いのだが、これに関してはストーリーとまあまあマッチしていたと思う。
 イギリス版少女マンガという感じであった。ちなみに筆者は、少女マンガはほとんど読んだ事がないので、あくまでイメージだ。
 それにしても、セックスの話題を開けっぴろげにしすぎ感はあるのだが、恥じらいはないのだろうか?  笑
まあ、でも、良くも悪くもあっさりバッサリしていて、憎めない。(日本だとすぐにビッチ扱いされそうだ)
 メインキャストは、リリー・コリンズとサム・クラフリン
 サム・クラフリンは、恋愛映画ではおなじみのイケメン爽やか俳優、リリー・コリンズはあまり知らないが、太い眉毛が素朴で可愛らしい。お嫁さんにするなら間違いないといった感じである。
 なお、コンドームなくなる現象は全世界共通らしい。笑

あらすじ

 幼馴染のロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は、小さい頃からずっと仲が良かっただけに、お互いの好意をどう扱ってよいか分からないまま、大人になってしまう。ある時から、アレックスはベサニー(スキ・ウォーターハウス)と付き合い始め、ロージーはもやもやとした気持ちを抱える事になる。ロージーも自分の恋人を見つけようと、グレッグ(クリスチャン・クック)と付き合い始めるが、幸せかと言われるとイマイチ実感が湧かない。
そんななか、アレックスのハーバード入学が決まり、ロージーもボストン大学に合格した。二人は一緒にボストンへ行くつもりだったが、ロージーの妊娠が発覚してしまう。

映画の見所

 現実に起こるとなかなかしんどい事が次々に起こるが、全体のとして明るいテンポで話が進むので、観ていて心地よさがある。
 ベタベタの重苦しい恋愛話という感じでもないので、カップルで観ても気まずい雰囲気にはなりにくい。話の節々で、ユーモアが効いていて、強く生きるロージーが観客に元気をくれる、そんな映画だ。
 劇中の言葉が印象に残っている。
  あなたどうかしてるわ!  こんなクソみたいな人生にしがみついて!
 アレックスの人生は傍目には華やかで、成功しており、クソでは全然ないのだが、ロージーという最も大事なものを失ったまま、「これで幸せなんだ」とどこか自分に言い聞かせている節がある。
 本当は分かっているクセに、というわけである。
 一方のロージーもまた同じで、アレックスという片割れを失ったまま、グレッグと結婚生活を送り、娘のためだと自分に言い聞かせる。ロージーもアレックスもいまの結婚生活に特別不満があるわけではないのだが、何か大切なものをどこかに置き忘れて来てしまったような、違和感を抱えたまま生活を送る。
恋愛だけでなく、人生において、老若男女問わず、自分の本当に欲しいものを、プライドとかくだらない理由で取り損ねてしまう事はよくあるので、埋まらない穴をなんとか埋めようと、自分の本心に嘘をついた事は誰でもあるだろう。
あー、なんか分かるわーと自分に重ねて映画を観る事ができるので、映画の中の登場人生に親近感がわく。
この映画のいいところはそんなところだ。

全体として

恋愛度          ☆☆☆☆☆
あまあま度  ☆
明るさ          ☆☆☆☆☆
オススメ度  ☆☆☆☆
 嫌な事があった時、こういう映画に救われる。自分の悩みも、まあそんなもんかなーくらいに思える。
 働くようになって、映画ばかりみるようになった。実写にせよ、アニメにせよ、物語のなかのキャラクターもまた、どうにもならない現実に退屈し、うんざりしているのだと思う事で、また明日頑張ろうと思えるのだ。

 

プライベート・ライアン

プライベート・ライアン (字幕版)

 戦争映画の良さは、私の考えだと、日常の嫌な事が些細な事に思えるくらい、ハードな描写がなされているところにある。
 要は、自分より大変な人をみて、今の生活の有り難みを噛み締めたいが為に、私は戦争映画を観るのだ。
 劇中、任務にない戦闘を指示された部下は、ミラー中尉(トム・ハンクス)に気が進まないと反対する。
 ミラー中尉は、気の向く任務などどこにあると一蹴し、戦闘の準備を始める。
この辺りを見ていて、いつも仕事がつまらないと思っている自分が、叱咤されたような気分になる。
 任務や命令がいかなるものであっても、ベストを尽くすという姿勢はかっこいいものだ。(私の場合は効率とか見返りを常に考えてしまって、そうした事は全くできないのだが)
 あの映画が、どのくらい戦争のリアルを描写しているのかはよく分からないが、よくあんな銃弾の雨の中を走って進めるなーと驚く。
 一番気弱に描かれているアパムでさえも、ビビりながらなんとか行動している。
自分は絶対無理だなーと、思ってしまう。情けない事だが、腰を抜かしている内に、撃たれて死んでしまうのではないだろうか。

あらすじ

 第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦
 アメリカ軍の軍人達が、船で上陸するシーンから始まり、まもなく、上陸するかという時、浜辺で待ち構えているドイツ兵の機関銃掃射をうけてしまう。
多くの兵士が、銃を構える間もなく死んでいく中、ミラー中尉が率いる部隊は、なんとか機関銃の当たらない死角にたどり着いた。ミラー中尉の指揮のもと、部隊は突破口を見出し、なんとか上陸作戦を成功させた。
上陸後のミラー中尉を待っていたのは、兄弟を失ったライアン二等兵を見つけ出し、帰国させるという任務だった。

映画の魅力

 この映画の魅力は、とにかくリアルな(本物を見たわけではないので、リアルと思わせる)描写だ。人間は当然、撃たれれば死ぬし、ドラマのような感動的な死に方をするわけでもない。おまけに、死は唐突にやって来て、どうしようもないくらいにあっけなく、味方の兵士を殺してしまう。彼らも当然故郷があって、親や兄弟がいて、子供もいるかもしれない。でも、それらはほんの一瞬にして無くなってしまうのだ。
 また、セリフがなく、兵士たちが顔を突き合わせてるだけのシーンや、銃声が鳴り響く中、土の上に伏せているだけのシーンも多いのだが、そういう時の、兵士一人一人の仕草や息遣いが物語に深みを与えている。ヘルメットを被る時の諦めにも似た気持ちや、物陰に隠れている時の安心感、タバコを吸いながら感じている漠然とした不安が、画面を通じて伝わってくる。
 基本的には、戦場になれてしまい、やさぐれた軍人で部隊は構成されているのだが、アパムは例外だ。アパムは、フランス語やドイツ語が話せる貴重な兵士として、ライアン二等兵救出作戦に加えられる。
この青年は、実戦経験が無く、気弱で、まだ人間らしい心は失われていない。捕虜を痛めつけるのを躊躇ったり、銃殺はやめてほしいとミラー中尉に懇願する。
彼の存在が、あまりにも人を殺す事に躊躇がない他の兵士と対比されており、画面のこちら側の人間に近い存在として、現実感をもたらしてくれる。
 あと、トム・ハンクスは渋くてかっこよかった。

全体として

リアル度       ☆☆☆☆☆
感動度           ☆☆☆
オススメ度   ☆☆☆☆
 この映画は過去に何度も観ているのだけれど、サラリーマンになってから観たのは今回が初めてで、なんだかサラリーマンに通づるところもあるなあと感じた。(もちろん、軍人の方が何百倍もハードで比べるのもおこがましいのだが、あくまで一つの映画として見たときの話)
理不尽な要求を飲み込む表情や心境は、似ていると思うし、ミラー中尉が「いったい俺はここで何をしてるんだ?」と呆然となる時の気持ちなんかは、火曜日の夜10時過ぎに会社のトイレで一人で顔を洗っている時に感じるような気持ちと似ているんではないだろうか。
 鏡の中の自分と目を合わせると、いったい俺は、何故こんな必死にこんな事をやっているんだっけ?と向こう側の自分が問いかけてくる。答えは「知らねえよ」だ。自分とは程遠い、権力構造の上の方で決まった決定で、我々の運命は勝手に決められてしまったんだ。
 それはさておき、まだ観ていない人で、戦争モノに苦手意識がなければ、一回は見た方がいい。
年齢を重ねたライアン二等兵の最後の言葉に、明日から頑張る勇気を貰えるだろう。