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【書評】週4時間だけ働く。好きな場所に住み、好きな時間に働くNR(ニューリッチ)になろう!

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「週4時間」だけ働く。

 

「週4時間」だけ働く:ニューリッチとは何か?(定義)

「人生先送り派」との比較

本書では、一般的なサラリーマンの事を「人生先送り派」と定義しています。

「世界一周したい」「南の島でのんびり暮らしたい」「農業をしてみたい」などの「やりたい事」を「定年後」まで引き延ばしている人、ということでしょう。

この本で提唱しているのは、非常にシンプルで「やりたい事」を先延ばしにしている人は、今すぐやろう!という事です。

「今すぐやろう!」と言われると、出来ない理由を探し始めてしまうものですが、「言い訳はするな!」と叱責されます。

「後でやろう」とか「〇〇円貯金が貯まったらやろう」などは呪いの言葉です。

私も含めて、薄々気が付いていると思うのですが、そう思っている事は結局、一生できないでしょう。

まさに「人生先送り派」ですね。

さて、「ニューリッチ」とは逆にどんな人たちのことなのでしょうか。

・仕事のために仕事をしない。

・ワクワクする事をやる。

・キャッシュフローを優先する。一攫千金を狙う訳ではない。

・トータルで稼いだお金よりも、単位時間当たりにいくら稼いだかを重視する。

ニューリッチは、「先送り」にしているやりたい事を今すぐやるために特化した人、とまとめる事もできます。

やりたい事をやるためには、まず時間とお金を用意しなければなりません。

お金と言っても貯金ではなく、キャッシュフロー、お金の流れを作る事を考えます。

また、時間を確保するために、やらなくていい事をやらないようにするという事を徹底しています。

「ルール」上はOKだけれど、やってはいけない事が存在する

本書の作者であるティモシー・フェリスは、子供の頃からあまり周囲の慣習に従わない性格だったようです。

散打(中国の武術)の例が挙げられています。

ティモシー・フェリスは初心者ながら、散打の大会で優勝したのですが、その方法はルールの穴を見つけるやり方でした。

水分を抜く、危険な減量(一応、医師の指導のもと行ったらしい)で実際のウェイトよりも軽い階級にエントリーし、計量後に体重を戻すやり方です。

おまけに、散打のルールでは舞台から何度か落ちると負けになるようになっていて、これを利用するために相手を押しまくりました。

ティモシー・フェリスはこうして、最小の努力で最大の結果を出すことに成功したのです。

まあ、想像には難くないと思いますが、審査員や観客の印象は最悪だったようです。

このように、ルール上はOKでもやると批判されてしまう事ってありますよね?

ただ、そこにチャンスがある場合も多いのです。

なぜなら、その場所で釣りをしている人はほとんどいないわけですから。

最も恐れている事こそ、やる必要がある

私が本書を読んで一番心に響いた言葉を紹介します。

「最も恐れている事こそ、最もやる必要がある」

そのために、恐怖と向き合って、恐怖を明確にしなければなりません。

最も恐れている事、安心できない場所にこそ、我々の可能性を広げてくれる要素が存在する、とティモシー・フェリスはいいます。

たしかに、無理だと思い込んでいる事、行動を起こして批判される事に対する恐怖は誰にでも存在します。

しかし、そこを突き抜けた先にこそ、ブルーオーシャンが広がっているのかもしれません。

決めるべきは「どうやってやるか」ではなく、「何をやるか」

我々は、何か行動を起こそうとする時、どうやってやるかに目が行きがちです。

その結果、解決策が思い浮かばず、無理だと判断する事になり、同じ場所をぐるぐると回る羽目になってしまうのです。

そもそも、どうやってやるか以前に、何をやるかが明確に定まっていない場合が多いと思われます。

仕事を辞めたい、と思ったとしても家族や生活費をどうやって賄うかに目が行ってしまい、結局無理だと判断してしまう事が多くないですか?

私も今はそうなってしまっています。

この状況の対策として、仕事を辞めて何をするのか、を明確に具体的にしなければならないでしょう。

ティモシー・フェリスはやりたい事や欲しいものを並べて、それにかかるコストとそのコストを賄うための収入を計算する事をすすめています。

いわゆる、ドリームラインの作成です。

やりたい事や欲しいものが明確に思い浮かばない場合には、3億円あって、明日会社を辞められるとしたらどこへ行って何をしているか考えてみましょう。

実現出来るかどうか、といった尺度は一旦無視してください。

私のケースを書いておきます。

私は、暖かい地域に行って暮らしているところを想像しました。

暮らすと言っても、定住するわけではなく、いつでも身動き出来る状態を作り出しています。

そのためには、住居を借りるか、または買ったとしてもいつでも他人に貸し出せるような体制を整える必要がありそうですね。

私は暖かいビーチにビーチパラソルを立て、膝の上にMacBookを乗せて、ブログを書いたり、仕事のパートナーとやり取りをしています。

私は「ライフスタイルデザインコンサルタント」というある意味胡散臭い肩書を持っていて、場所や時間に囚われない暮らしを世間に広めるべく、本を出版しようとしています。

また、本だけでなく、有料のメールマガジンを配信したり、電子上の書籍をまとめたりしています。

書籍は自分で書く必要はなく、編集者とライターに外注して、ヒアリングしてもらった内容を文書化しています。

さて、一方でコストはいくらでしょうか。

仮に、「石垣島」に住んでいるとしましょう。

賃貸の家賃は大体2LDKで10万円程度です。食費が家族で月に3万円かかるとしましょう。光熱費が2万円。通信費が家族で2万円程度です。(4人家族でスマートフォン)

ちょっと保守的に見積もって、20万くらいのキャッシュフローを確保出来れば、夢が実現できます。

さて、月20万を稼ぐにはどうしたらよいでしょうか?

このように、妄想でもいいので、何をしたいかを考えていくと、やるべき事、ドリームラインが明確になってきます。

「週4時間」だけ働く:「何を得るか」、ではなく「何を捨てるか」

自分の時間を作る

ドリームラインが明確になった後は、目標に向けて、やるべき事を実行する段階に移ります。

しかし、最低限の時間は必要です。

時間を捻出するには、どうしたらよいでしょうか?

本書で取り上げられているポイントは、「捨てる」と「自動化」です。

ここでは、「捨てる」事を考えてみましょう。

「時間管理」というと、スマホを見ている時間を減らせ!という論調に偏りがちですが、私はそうは思いません。

なぜなら、休憩時間は必要な時間だからです。

ぼんやりスマートフォンをいじっている時間も、時には必要だと考えます。

むしろ、削るべき時間は「結果を得るのに、必要だと思い込まされている時間」です。

重要な事は全体の20%である

散打のティモシー・フェリスの例はちょっと極端ですが、ニュアンスは分かりますよね?

周囲の人は、結果に対してどれだけの犠牲を払ったかに重点を置きますが、結果だけを得るのであれば、省略出来る時間も多いのです。

さて、有名な「パレート分布」を紹介します。

滑り台のような形をしたこの確率分布は、自然界のバラツキに割とうまくフィットする分布です。

簡単にまとめると、全体のバラツキのうちの20パーセントが全体の80パーセントを占めているって話です。

もっと簡単に言うと、大事なことは全体のうちのちょっとだよって事です。

つまり、大事な20パーセントにだけパワーを注げばいいんじゃないか?って事ですね。

例えば、通勤時間は本当に必要なのか、とか会議やミーティングは本当に必要か、とか削れそうなところはたくさんありますよね。

えっ?今の仕事場の雰囲気じゃ無理だって?

じゃあ、ドリームラインに「転職」を加えましょう。

知識は関心を消費する。あえて無知な状態を作り出そう

ダイエットするべきは、時間の使い方だけではありません。

「知識」を持ちすぎる事も、ニューリッチを目指すならば避けるべき事態です。

なぜなら、「知識」は「好奇心」を奪ってしまうからです。

子供って楽しそうですよね?あれは、知識がないからこそ、毎日好奇心が満たされているのです。

もう少しだけ具体的にすると、例えば英語を完璧に話せるようになってから、海外に行こうとしてませんか?

私がまさにそれです。笑

ニューリッチを目指すならば、挨拶が出来ればGOでしょう。

ビジネスも同様で、とりあえず3年とかは必要ないのでは、と最近は思いますね。

よく知らない分野の方が話を聞いていて面白かったりするので、とりあえず飛び込んでみるスタンスを持つべきでしょう。

決定権を分散させよう

決定権を分散させる事。これもニューリッチになるために必要な事です。

日本のサラリーマンに残業やストレスが多い理由も、この決定権で説明がつきます。

日本のサラリーマンは、そこそこ偉い立場の人間であっても、実質的な決定権をあまり持っていません。

だから、現場が回らなかったとしても「人を増やす」という対応を取ることが出来ず、現場にいる人間が残業や休日出勤で賄わなければならなくなるのです。

もし、上司に決定権が与えられていて、海外の様に雇用をコントロール出来る状態であれば、この様な事は起こりにくいと言えます。

さて、そこから得られる教訓はなんでしょうか?

現場に裁量を与えて、なおかつそれをコントロール出来る人が優秀、という事になりませんか?

自分が裁量権を抱え込みすぎるのは、あまり良くない事と考えましょう。

ここから、外注や自動化につながって行きます。

「週4時間」だけ働く:ルーティンワークを自動化またはアウトソースする

「パーソナルアシスタント」を見つけよう

前項で、裁量権の話をしましたが、日本で経営をする場合、簡単に労働者を解雇したりは出来ません。

でも、考えてみればもう21世紀のあらゆるものがインターネットに繋がっている世界に生きているわけですから、何かしら策を練る事は出来るはずです。

自分が苦手な事をやってくれる人、という観点でインターネット上や身の回りを探してみましょう。

必ず、あなたの苦手な事が得意な人がいるはずです。

その人に、対価を払って何かお願い出来ないか考えてみましょう。

そうです、個人的なアシスタントを雇うのです。

普通の雇用関係は結びませんから、日本の企業が抱えているような赤字問題は起こりえません。

もし、アプリを作りたいなどのアイデアがあるなら、誰かに仕事を投げてみましょう。

面白いことに、それが出来た瞬間、あなたは仕事を生み出したのです。

それも、何もないところから。

これって結構すごい事だと思います。

サラリーマンだった人は、仕事を与えられる側から与える側になる事が出来るのです。

つまらない仕事をアウトソースしてはいけない

さて、アウトソーシングの素晴らしさを語ってきましたが、一つ気をつけなければならない事があります。

それは、外注する前によく考える事です。

外注しようとしている仕事は、本当に必要でしょうか?

捨てる事で解決するなら、まず捨てましょう。

つまらない仕事で、誰かの時間を無駄にしてはいけません。

例えば、名刺のデザインを外注するとします。

ちょっと考えてみましょう。そもそも名刺というものが必要であるかどうかを。

ミニマリストの再来

「ミニマリスト」と聞いて思い浮かべるのが、同じ服で物のない部屋とMacですよね。

ちょっと待ってください。

形から入る必要はありません。本質を掴みに行きましょう。

私がここで考えているのは、禅宗の真髄ではなく、ビジネス面でのミニマリストです。

起業する時、在庫や店舗、ひいては従業員を持つ必要があるのでしょうか?

それらに変わる仕組みを見つける事は、我々を場所から自由にしてくれると同時に、無用なリスクを減らし、新しい閃きを与えてくれる事でしょう。

店舗は仮想的なもので、在庫は外注し、従業員はクラウド(群衆)という会社が存在してもよいと思います。

いえ、むしろ存在させるために知恵を絞りましょう。

目的にあった商品を考える

ドリームラインを実現するために、将来販売するであろう商品についてイメージしてみましょう。

本書で取り上げられているのは、音楽CDの販売モデルです。

確かに、いい音楽に価値を感じて買ってくれる人がいればいいビジネスになりそうです。

在庫は自分で管理せず、ドロップシッピングのサービスを利用します。

広告をクリックして、サイトに飛んできたユーザーから注文が入れば、ドロップシッピングのサービス業者に連絡するだけで仕事は終わりです。

売り上げの45パーセントを外注業者に払いますが、55パーセントは手元に残り、一度音源を作ってしまえば、原価はほぼゼロに抑えられます。

在庫を自分で管理していないため、働く時間も短く、社員も必要ありません。

こうした観点から考えると、「書籍」や「音源」などのデータはニューリッチのビジネスに向いていそうです。

ちなみにティモシー・フェリスは「サプリメント」販売会社を経営していたそうですよ。

サプリメントは「ドロップシッピング」で販売していたんでしょうか?

「週4時間」だけ働く:場所に縛られない暮らし

仕事を辞めて何をするか?

ドリームラインに戻ると、仕事から解放されて何をするか、決めておく必要があります。

と、言うよりも、たぶん本気で遊んで、それが仕事のようになってしまっている状態に持っていくのがいいでしょう。

ただのんびりする、という状態を目指すのがニューリッチの生き方ではありません。

ワクワクする事をすべてやるために、時間とお金を作り出すのがニューリッチの生き方です。

ラットレースから解放されよう

私も含め、世の中のサラリーマンはラットレース依存症を患っています。

幼い頃から競争にさらされ、競争に勝つ事でしか承認欲求が満たされなかったかわいそうなラットは、頭では分かっていてもラットレースのコースを外れる事が出来ません。

時間を解放し、お金から解放されても、このラットレース依存症を治さなければ、ニューリッチとして世界を自由に味わう事が出来ません。

隣人と張り合うのはもう辞めにする時なのでしょう。

ミニリタイアメントのすすめ

「人生先延ばし派」の人は、定年後に自由になりますが、自由になっても退屈で仕方がないという状況に陥ってしまいがちです。

そうならないように、集中して働く時期と、遊んだり、本を読んだり自由に過ごすミニリタイアメントの時間を設けたほうがよい、とティモシー・フェリスは主張します。

前項のテーマ、ラットレースから降りるという事にも繋がりますが、ティモシー・フェリスが有名になるにつれ、彼とどうしても張り合いたくて、回転ケージを頑張って回す人がいるようです。

そんな隣人を横目に、堂々と休みに入ってやれば、ラットレース依存症からも脱出出来る事でしょう。

ニューリッチがやってしまいがちな間違い

最後に、戒めとしてニューリッチがやってしまいがちな間違いが纏められていたので、意訳して紹介します。

・「捨てる」のフェイズで捨てるべき事をやっている。

自分がやらなくていい事を自分でやっている。

・働くべき場所と休息すべき場所が混ざっている。

・働くために働いている。

目的は何だっけ?定期的に、自問自答する。

・仕事とは関係ないポジティブな繋がりを大切に。