Macの外部ストレージカタログを眺めるのが好き、という変な恰好をもつ私が、初心者向けにMac用の外部ストレージについて解説していきます。
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本記事で使用する用語について解説
「HDD」と「SSD」
ハードディスクのことです。基本的にストレージというと「ハードディスク」を思い浮かべる人が多いと思いますが、「SSD」も浸透しつつあります。
「SSD」とはソリッドステートドライブの事です。
「HDD」も「SSD」も「動画」等のデータを保存するためのパーツです。
「HDD」よりも「SSD」の方が値段が高く高性能ですが、転送速度が早く、「高画質動画」を扱う場合はほぼ必須になってきました。
最近のMacの内蔵ストレージはこの「SSD」で構成されている事が多いです。
対して「HDD」は転送速度が遅いですが、大容量を確保する事ができます。
値段とどのくらいの空きストレージを確保したいかの兼ね合いで、「HDD」を選ぶか「SSD」を選ぶかを決めると良いと思います。
「Thunderbolt」と「USB」
「USB」は皆さんご存知かと思います。Macと外部ストレージ等の機器をつなぐために必要な端子の名前ですね。
「USB」には2.0と3.0というバージョンがあります。USB3.0は2.0の上位互換です。
最近のMacには標準搭載されていますが、一応説明書等で確認しましょう。
「USB3.0」の方が当然転送速度が速く、最高5Gbps/s程度の速度と言われています。これは一秒間に625MB程度のデータを転送できますよ、という意味です。
1ビットが0.125バイトですから、5(ギガビット)*1000*0.125=625MB(メガバイト)ですね。
よくわからん!という人は結果だけみてください。
保存してみたい動画の容量を確認してみるとどうでしょう?
数GB程度であれば、USB3.0で問題なく対応できそうですよね?(1GB=1000MB)
さて、次に「Thunderbolt」について解説します。
ThunderboltはMacについている「稲妻」のマークの端子を使用した転送システムの総称です。
USBとは端子やケーブルが異なるので、注意してください。
「Tunderbolt」には「無印」「2」「3」という3つの規格があります。
ちょっとややこしいのですが、「3」は「USB-typeC」と同じポートを使用します。
「USB-typeC」はUSBの新しい規格で、2018年現在、「Macbook」に搭載されています。
「Thunderbolt3」はこのポートを使用するのですが、ケーブルは共通ではなく「稲妻」のマークがついているものでないと「Thuderbolt3」の転送を利用することはできません。
さて、Thunderboltの転送速度についてみていきます。
Thunderbolt(無印) = 10Gbps (1.25GB/s)
Thunderbolt2 = 20Gbps (2.50GB/s)
Thunderbolt3 = 40Gbps (5.00GB/s)
USB3.0よりも高速な事が分かると思います。
数GBの動画なら数秒で転送が完了する計算になります。
外付けストレージの2パターン「ケース型」と「一体型」
ちょっと難しくなってきましたね。もうちょっとの辛抱です。
簡単に言えば、「ケース型」はケースとHDD、SSD別売のものを指し、「一体型」は「セット売り」のものです。
玄人はHDD、SSDのブランドにもこだわるので「ケース型」を選択しますが、ビギナーはややこしいことを考えなくても良い「一体型」をオススメします。
「一体型」は中の「SSD」や「HDD」がどのメーカーのものか分かりませんが、普通に使用している分には特に問題ないので過度に気にする必要はありません。
結局、オススメは「HDD」?「SSD」?
大容量を確保したいならHDDだが、「動画」を扱うなら「SSD」がオススメ!
一般的に出回っているHDDで「良心的な?」値段のものは(2018年現在)3TB程度です。
(1TB=1000GB)
一方でSSDは頑張って1TB、普通は512GB程度になるでしょう。
具体的な商品を見ていきましょう。
オススメ度 | ![]() |
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対応マシン | 標準でThunderbolt2、Thunderbolt、USB3.0、USB2.0のいずれかのポートを搭載するApple Macシリーズ |
対応OS | Thunderbolt2:Mac OS X 10.8.5以降 USB3.0:Mac OS X 10.6以降 / |
大きさ | 幅60mm×奥行217×高さ130mm |
オススメ度 | ![]() |
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対応マシン | Thunderbolt/Thunderbolt2ポートを搭載したMac USB3.0またはUSB2.0ポートを搭載したMac |
対応OS | Thunderbolt:Mac OS X 10.6.8以降 USB3.0:Mac OS X 10.6以降 |
大きさ | 89 x 140 x 24 mm |

オススメ度 | ![]() |
---|---|
対応マシン | Thunderbolt/Thnderbolt2搭載したMac |
ランキングの1位は「動画」という容量の大きなデータを扱うことを鑑みて、HDDタイプのThunderbolt2接続が可能なモデルを選択しました。
最高速度が220MB/sであれば、動画であっても問題なく扱えるでしょう。(1GBの動画が5秒程度)
容量より速さを求めるなら、ランキング2位や3位のモデルの方が速度が速いです。(その分容量は少ないです)
「Thunderbolt」と「USB」はどっちがオススメ?
まず、「USB2.0」は動画を扱う場合、お話にならないくらい遅いので選択しないようにしましょう。
「Thunderbolt」はバージョンが上がっていくにつれて価格も高くなります。個人的には「Thunderbolt2」がバランスが良いと思います。
ちなみにランキングの1位と2位のモデルはどちらにも対応しています。ですので、必然的に「Thunderbolt」を選択することになると思います。(こういうどっちも使えるモデルも多いです。USBの方がシェアが高いからでしょうね)
値段を取るならUSB3.0のみが搭載されたモデルを選んだ方が良いでしょう。
しかし、「動画データ」をストレスなく扱うためには若干速度に不安があると言えます。
なので、個人的には「Thunderbolt」がオススメですね。一回使うとUSBには戻れなくなります(笑)
オマケ:転送速度と実測値の関係(PCIe接続って?)
計算上の転送速度と実測値があってない?
察しのいい人は気がついたかもしれませんが、Thunderbolt2の転送速度が2.50GB/sと言っていますが、ランキング1位の商品は「最高速度」220MB/sと言っています。
あれ、随分遅くなってないか?と思った方もいるでしょう。
これについて少し追記しておきます。
Thunderbolt2の転送速度が2.50GB/sというのはもちろん嘘ではありません。しかし、HDDからデータを読む(または書く)速度がそれより遅いという問題が考えられます。
いわゆる「ボトルネック」というやつですね。
HDDから読む速度が500MB/sであれば、いくら転送速度が速くても転送されるデータ量は1秒間に500MBが限界です。
もう1つのボトルネックは、ThunderboltとSSD(またはHDD)の接続方式の速度です。
一般的な規格は「SATA」と言って、これもボトルネックになっています。
それらを総合すると、実測値は理論値よりもだいぶ遅くなってしまうんですね。
PCIe接続って?
だいぶ難しくなってきましたね。興味のある人だけ聞いてください(笑)
Macの内蔵SSDって、外付けのものよりかなり速いんですよ。
これには秘密があって、それが「PCIe」です。
PCIe接続は代表的なSATA接続より転送する速度が速いんです。
つまり、2番目のボトルネックを解消する要素なんですね。
ランキングの3位のSSDはこのPCIe接続しているSSDを使用しているので、ランキング2位のSSDよりも速い速度が出ています。(その分値段が高くなります)
今回はかなり初心者向けに書いたつもりです。
もっと興味がある人はPCIeやThunderbolt3についても記事を書いたので、合わせてご覧ください。
