
いくつもの異なることを同時にこなす力のこと。「1つのことに注力する方が「エライ」」という前時代的な概念が根強く残っているが、著者は「多動力」こそがこれからの時代に必要なものであると主張する。
たとえば、テスラ・モーターズCEOのイーロン・マスクは服を着られないらしい。
服を着ている間に、次にやりたいことを思いついてしまうから、ボタンを留めることができないのだ。
服を着られないはちょっと誇張な気もしますが、「新しい」「ワクワク」することを思いついて途中でボタンを留めるのをやめ、そのまま忘れて外出してしまったくらいのことはあるのかもしれないですね。
子供の頃はそういうことがよくあった。私はとても落ち着きのない子供で、「ワクワク」することがあると眠ることが出来なくなったり、食事が喉を通らなくなったりしました。
また、一般的な常識が分からなくなったりして、「問題行動」と捉えられていたでしょう。
でも、その時は確かにすごく楽しくて幸せだったのです。
Contents
「多動力」という本はよく売れているらしい
なんともうまい具合に「言い訳」に使える
怠惰すぎて続かないのか、それとも他に面白いことがあるから続かないのかを見極めることは難しいですね。
それは、本人ですらよく分かっていないことだからです。
「多動力」はある意味危険な本で、怠惰さの「言い訳」として利用してしまえば、たちまち価値を失ってしまうでしょう。
むしろ「毒」です(笑)
この点、気をつけたいと思いましたね。
それだけ「洗脳」から解き放たれたいというニーズがある
ここに書かれているのは、「極論」です。(笑)
「つまんない会議で時間を無駄にしているなら、スマホで情報でも集めてればいいじゃん」という主張を実践できる人はほとんどいないと思います。
ただ、「会議」のほとんどが無駄だということはみんな理解していて、「世間体」ために黙って興味のない無意味な話を聞いているという事実があるので、こういった本が売れるのでしょう。
私は「メントレ」の企画の一部として取り上げていますが、「企業に一生勤めるつもりのサラリーマン」がこれを読んだからといって得するようなことは書いてないな、というのが正直な感想です。
会社、特に大企業はみんなの所有物ですから、論理的に正しくても勝手なことはできないですよね。
大企業を飛び出して、自分の会社を作って実践するのであれば、非常に役に立つ内容になっていると思います。
使えそうな言葉をとりあえず集めてみました
全部自分でやらなければならないという思い込みを捨てる
「メントレ」の一環としてこの本を取り上げているので、ただの書評を書くつもりはありません(笑)
この本がいい本か悪い本かは、「私ではない誰か」がきっと評価してくれているはずです(笑)
「全部自分でやらなければならない」という思いこみをしていては、多くの仕事を手掛けることはできない。
これは確かに陥りがちですよね。
言われればその通りなんですけど、なぜかそう思い込んでしまうことがあります。
おそらく「教育」が平均的な人間を育てるコンセプトで作られているからでしょう。その時の「洗脳」がまだ色濃く残っているのです。
たとえば、「起業」というと難しく感じますよね。「税金の計算」をしなければいけないだろうとか、ゲームアプリの開発をしようと思ったら「プログラミング」「イラスト」「ストーリー」「マネタイズ」「マーケティング」と考えることが山ほどあって、自分には無理ってなってしまいます。
そんなに大変ならサラリーマンでいいや、みたいな(笑)
実際、起業するとすごく大変だとは思いますが、「全部自分でやらなければいけない」とか「全部分かってなければいけない」とかいうのは勘違いです。
ちなみにこれ、「サラリーマン」でもありますよね。何かの「システム」のプログラムについて詳しい必要はないんだけれど、それを使っているってことが。
はじめのうちはよく分からなくて「システム」の「ロジック」を理解しようとしてしまうんですよね。
上司から「お前はそんなもん知らんでええねん」って度々怒られましたね。(笑)
完璧にやらなければならないという思い込みを捨てる
たまに手抜き仕事をしたって、誰も気づきやしない。全てに全力投球もいいが、それで力尽きてしまっては元も子もないのだ。
注意深く読まないと誤解してしまいそうですが、「手抜き」のレベルが言葉のイメージと異なっていることに気がつきました。
お母さんが作ってくれるお弁当に冷凍食品を入れる話が例に挙がっています。
注意したいのは「手抜き」しても、物事は回るレベルの「手抜き」をここでは「手抜き仕事」と言っているようです。
決して、解凍し忘れたおかずが弁当に入っていても良いという主張はしていないことに注意したいですね(笑)
「手作り弁当より冷凍食品の方がうまい」と書いてあるが、まあそれは「誇張」でしょう(笑)
あまり本質的でないところで揚げ足をとるのは好きじゃないので、割愛しますね。
「完璧主義者」から「完了主義者」になれっていうのは確かにそうだと思います。
これは、頭で考えて行動に移さないくらいなら見切り発車でいいという話にもつながりますね。
「見切り発車したものを、とりあえず完了させてみればいいじゃん」ということでしょうか。
とりあえず色々手をつけてやりっ放しはまた違う話なので注意しましょう。(笑)
気になる女性とデートするためにダイエットしてはいないか?
堀江さんは男性なので、女性と書かれていますが「気になる人」とデートするためにと適宜読み替えてください。
これは結構あるんで、イメージしやすいんじゃないですかね?
異性関係なんてものは、出会った瞬間にほぼ結果は決まっていて、あとは行動するかしないかだと思うんですよ。
そこで「準備に時間をかける」というのはダメだった時の恐怖に対する、無意識の逃げ行動ですね。(気持ちはとてもよく分かるんですが、客観的に見るとね)
私が着目しているのは、「ビジネス」とか「ダイエット」などの場合でも似たようなことが言えるんじゃないかってことですね。
「お金が貯まったらやろう」「時間ができたらやろう」と目的のための行動を先延ばしにしてしまうことってありますよね。
目的を達成したいなら、それを今すぐ無くしましょうって事が書いてあるんだと思います。
人生に目的なんかない。今を楽しむことだけが、すべてなのだ。
自分で紹介しておいてアレですが、この本、割といいこと言ってません!?(笑)
おもしろい人たちとおもしろい時間を過ごせば、偶然ビジネスにつながるって書いてありますね。これは「仕事は楽しいかね」にも出てきた概念です。
今生きている時間、この瞬間を楽しまず、ただ歯を食いしばって努力したところで、思うような成果なんて得られない。
これは、歳を取ってきて私も感じていることです。
学生の頃は、今我慢して勉強すれば将来幸せになれると信じていました。でもそれはこの先の「寿命」が十分長いから言えることですよね。
私たちは、子供の頃から「我慢」して「楽しいこと」を後回しにして頑張ってきました。将来、幸せになるために。
で、「将来」っていつなの?ってことですよ。
その将来は多分今なんだけれど、「今」つまらないなら何かが間違っているので、変える必要がありそうです。
他にも「ハッ」とするよな言葉であふれている
「多動力」は頭のいい人がまとめている記事がたくさんあるから、今さら買うべきでない論というのがありまして、それも一理あると思います。
ただ、私が求めているのは「ハッ」として「行動したくなる」ような体験で、それはやはり「原典」を読むのがいいのかなと思います。
むしろ、「原典」でも「ハッ」として「頭のいい人がまとめた記事」でも「ハッ」とできれば、なおいいですよね?
1000万円の株が200万円に下がりました。さて、売るべきか?という話にしてもそうですし、「今持っているもので勝負しない」「まっさらな状態で何かにチャレンジする」というのは簡単なようで難しいことです。
「多動力」は「メントレ」として何回も「反芻」できる内容が詰まっている本でした。
「メントレ」については、トップページの「ピックアップ記事」「【メントレ】おすすめ書籍」に詳細が載っているので、気になる方はそちらをご覧になってください。