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そもそも「自炊」って何?
「自ら吸い込む」から「自炊」!?
Wikipediaによると、「産経新聞 2010年12月6日付 第15面(生活面)「賢く節約 マル得のススメ 蔵書の電子ファイル化」より」となっています。
iPadなどの電子書籍リーダーの下地が整ったことと、富士通などが出している高速ドキュメントスキャナーの低廉化により、個人での書籍スキャンが用意になったために考案された手法のようです。
後述するように、「著作権法」の観点から「代行」行為は法律的にアウトと読めるため、「自分」で全ての工程を終わらせる必要があります。
また、必要な道具は購入することもできますが、「レンタル」という手段を使うこともできるので、用途に合わせて賢い選択をしましょう。
「自炊」に必要なものは?
大きく分けて、「非破壊的スキャン」と「破壊的スキャン」という手法が存在します。
「非破壊的スキャン」は大量のページを処理するのに向いていないので、「破壊的スキャン」のみに焦点を当てて説明します。
「自炊」に必要な道具は、「ドキュメントスキャナー」と「裁断機」、「WindowsPC」です。
「Mac」でもスキャンが可能かどうかは確かめておりません。私はWindowsPCで取り込みました。(スキャレンのQAによると、Macでも動作するようです)
「自炊」の事前準備
著作権法を確認する
さっそく「自炊」に取り掛かりましょう!と行きたいところですが、
その前に、よく問題となる著作権について見ておきましょう。wikibooksから引用します。(オリジナルの条文と齟齬がある可能性も否定できないので、注意してください)
- 第30条著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
- 一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
- 二 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第120条の2第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
- 三 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合
Wikibooks
平たく言うと、個人的に使用する場合はコピーはオッケーと書いてあります。ただし、例外的な条件がその後に書かれているので、そこはしっかり解釈しなければなりません。
公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を使って、コピーするのはダメみたいですね。
技術的保護手段の回避をしてはいけないとも書かれています。プロテクトがかかっている場合は解除しちゃダメよ、ということでしょうか。
著作権を侵害する自動公衆送信というのが何を指すのかあまりわかりませんが、あくまで自分だけのために使うべきで、自分以外に渡るような状態にしてはマズイようです。(家庭内はOKという記載もあるので、家族はいいのか?)
また、最後になりますが、
「その使用する者が複製することができる。」
とあるので、代行はアウトと読めますね。
※法律の専門家ではないので、電子化を行う場合は自己責任でお願いしますね。
「自炊」における著作権法まとめ
ここまでを纏めると、
①家庭内に限り
②使用者本人が
③公衆のコピー機以外で
④プロテクトがかかっていないもので
⑤自動公衆送信を行っていないもの
に限って、コピーしてもいいでしょうと言っていると私は解釈しました。
【自炊】書籍の電子化方法
主要な電子化方法をご紹介
これからお伝えする「電子化」の方法は、
- フェデックスキンコーズを利用する方法
- スキャレンを利用する方法
- レンティオを利用する方法(レンティオは追加で見つけたサービスなので追加しました)
の3つです。
私はこれが合法だと思って、自炊を行いましたが、上記の③の「公衆」がどのくらいの範囲を指しているのか、あまりわかりませんでした。
なので、キンコーズやスキャレンも「公衆」と呼べなくもないというご指摘は当然あるかと思いますが、私は「公衆」の定義には含まれないと考えている前提で話を進めます。
キンコーズで電子化
ホームページと料金体系
まず、フェデックスキンコーズですが、
ホームページと料金表は以下になります。(※全ての店舗でサービスが受けられるか不明なので、事前に調べてください)
セルフスキャンというサービスです。
本の解体から、スキャナーの取り込みを店舗で行う事ができます。
キンコーズで電子化するメリットとしては、本の断裁を大型の機械で行うので、綺麗に解体できる事です。
キンコーズの店舗が存在するのは、北海道、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、です。
断裁の料金体系
書籍の場合、一旦裁断してスキャンするのがベストですから、裁断もお願いすることになります。
さらに、バラバラのままだと持ち帰ったり、整理したりがしんどいので紙媒体を残しておきたい場合は、再度本の形に背表紙をつけてもらうことができるはずです。
断裁の料金は、1cmまで100円となっています。
表紙やホチキスを外す場合は別途料金が必要です。
主な留意点
スキャンがなかなか時間がかかります。
また、全部自分でやらないといけないので、体力を使います。
無心になってスキャンをしましょう(笑)
(キンコーズにおいてあるスキャナーの型番などについては忘れたので、どれだけの時間で何枚処理できるか不明ですが、参考までに、富士通の「スキャンスナップix500」だと毎分25枚だとか(公式ホームページより))
50枚程度セットしておけば、どんどん読み込んで行くので楽かと思いきや、結構止まるんですよね。
二枚同時に読み込んだ時に、止まってやり直せる機能がついていて、このせいでページの抜けは防げますが、何度も止まってうざいです。(笑)
また、時々紙がぐしゃぐしゃになって吸い込まれたりするので、スムーズには進まない事を覚悟しておく必要があります。
体感的には、1回50枚程度セットして、平均3回くらいは止まりました。その度に、紙を取り出してセットし直さなければならないので、苦労します。
なお、スキャンするときに、「ocr機能」付きで取り込む事ができまして、単に画像としてスキャンするだけではなく、文字を認識してくれるので、なんと「検索」が可能になります。
本の電子化のメリットは、
①物理スペースの節約
②アクセスのしやすさ
③検索できる
なので、是非とも「ocr機能」をつけて取り込みましょう。その分、読み込みに時間がかかりますので注意してください。
スキャレンで電子化
キンコーズが家の近くにないという方は、スキャレンというレンタルサービスを利用すると良いです。
スキャナーと裁断機を自分で買うという手もありますが、費用がかさむし、裁断機とか購入しても場所を取るし、重いし、ほかに使い道がないので、レンタルがオススメです。
また、PCがないという人にはPCもレンタルしていますよ。
スキャレンの料金体系
リンクは以下に貼っておきます。
こう言ったサービスを利用するのが初めてで怖いと思う方もいらっしゃると思いますが、私が利用した感じだと、とても信用できる業者だと思いました。
梱包も丁寧でしたし、説明や料金システムもわかりやすいです。
7日間と30日間でレンタル日数が選べるのですが、30日レンタルをオススメします。
値段もあまり変わりませんし。(2000円くらい)
なんとなくケチって7日間レンタルにしがちですが、断裁とスキャンを全て自分で行うとなると結構な重労働です。
一日、10冊も電子化出来ればいい方だと思うので、
余裕を持ってレンタルしましょう。
主な留意点
単純作業の繰り返しなので、飽きます(笑)
しかも、スキャンし終わった後に、うまく取り込めているかチェックして、うまく行っていなければやり直したりする時間も考慮すると、バッファーは多めに取った方が良いでしょう。
(スキャンスナップix500であれば、ocrもついているので、検索も可能になります。以下公式サイト(スキャンスナップ公式)
また、問題点として、スキャナーは紙と物理的に接触している部分がすり減って磨耗する仕組みになっており、ある程度使うと交換が必要です。私がレンタルした時は、スペアが一個ついていましたが、今はどうかわかりません。(メールで問い合わせてみると良いでしょう)
磨耗してくると、スキャナーが詰まったり、紙が絡まったりする場合が増えてくるので、結構ストレスです。気をつけてください。
レンティオで電子化
こちらもスキャレンと似たようなサービスですね。料金体型は以下のリンクから調べてください。
目安として、裁断機とドキュメントスキャナーのセット、「3泊4日」で8980円です。
「スキャレン」と比べて割高なイメージがありますね。
それでは「レンティオ」で借りるメリットはなんでしょうか?
レンティオでレンタルするメリット
①本人確認等の手続きがない
「スキャレン」との違いは「本人確認書類・送付先確認書類」が必要ないことです。
おそらく「保険会社等」と提携していて、レンタル商品が破損しても問題のない仕組みを作っているのでしょう。そのぶんのコストが価格に上乗せされているようですね。
②補償が自動で付帯
レンティオでレンタルした場合、不注意で壊してしまっても最大2000円までしか請求されません。(※免責代金が異なる場合は別途記載あり、とありますが基本的に2000円でしょう。)
スキャレンの場合は、「特定商取引に関する法律に基づく表示」のページに「お客様責任による機材破損の際の修理・交換費用」が「その他の費用」項目に挙げられていますから、何かの拍子に破損させた場合などは弁償が必要になります。
機材の取り扱いに自信がなくて不安、という方は「レンティオ」のレンタルサービスを利用した方がいいかもしれません。
電子化した書籍を読む
電子化した書籍はクラウドに保存がオススメ
電子化した書籍はpdf形式で、クラウドストレージに保管しておく事をオススメします。
電子化してクラウドに保存しておけば、iPhoneやAndroid端末、iPad等のタブレット、ノートPCなどのあらゆるデバイスから参照する事が出来るようになります。
おまけに、ocrによって文字認識させておけば、検索が可能になりますから、これは強力な「第2の脳」として機能させる事ができます。
小説から自己啓発本や技術書、セミナーの配布資料などを一箇所にまとめ、いつでも検索できる状態にするなんて、ロマンを感じますね!笑
また、クラウドのみだと情報の消失が怖いので、ローカルストレージにもバックアップを保存しておくと良いでしょう。
電子書籍を読むためのデバイス
携帯性という意味では、iPhone等のスマートフォンが最強です。
「第2の脳」として機能させるには、いつも持ち歩いているデバイスで参照できなければ意味がありません。
iPhoneであれば、「フォルダ」アプリでpdfを直接開く事ができます。
電子書籍リーダーアプリも様々なものがありますが、ページめくりが「タップ」タイプのものは、漫画などを読むには向いていますが、機動性の低さゆえに、「第2の脳」として機能させるには向いていません。
「スクロール」でページをめくる事が出来るようにしておくとよいです。