
だるいねこ
今日紹介するのは「ガールオンザトレイン」
だるいいぬ
タイトルからは何の映画か分かりにくいなあ。
だるいねこ
簡単に言うと、アルコール依存症の人が電車から「赤の他人夫婦」の妻の方の浮気を目撃して、そこから殺人事件に巻き込まれてしまうお話よ。
だるいいぬ
えー!?( ;´Д`)それって面白いの?
だるいねこ
ミステリー小説が好きな人には合ってるかな。森博嗣とか京極夏彦とか。普段本を読まない人はあまり楽しめないかも。
この記事のまとめ
ミステリー小説好きの人は楽しめそうな映画「ガールオンザトレイン」のあらすじと感想。あとはエミリー・ブラントが出演している映画「ボーダーライン」の紹介。
あわせて読みたい

アマゾンプライムで評価が高い映画 ボーダーライン あらすじ
エミリー・ブラントと言えば、「プラダを着た悪魔」でアン・ハサウェイの同僚「エミリー」を思い浮かべるでしょうか。
私が知って...
自分自身、あまり幸福とは言えない事が多かったからか、傷を負ったどこか訳ありな主人公を見ると安心する。
子供の頃は、なにかと爆破とか銃撃戦のある映画が好きだったが、大人になるとちょっと訳ありな主人公じゃないと物足りなく感じてきた。
エミリー・ブラントは硬派な女優といったイメージだったから、今回のアルコール中毒者の役はちょっと新鮮だった。
役者というのは凄いもので、本人の性格とは別のイメージ、印象を他人に与える事ができる。エミリー・ブラントがどういう人かはさておき、映画の中では本物のアルコール中毒者に見えた。
アルコール中毒者は、本当に酒が好きで堪らないという訳ではない事が多い。どちらかといえば、リストカットに近く、自分自身を痛めつける行為の一環として飲酒量を増やしてしまう。
結婚や恋愛など、現実の生活での悩みからアルコールに依存してしまうのだろう。苦しみを、一時的に忘れる事ができる。
あらすじ
失業中のレイチェル(エミリー・ブラント)は、電車に乗って職場に行くふりを続けている。居候させて貰っている友人はレイチェルが、解雇された事を知らない。
電車の中で、レイチェルは元夫のトム(ジャスティン・セロー)の現在の暮らしや、その近所に住むヒップウェル夫妻の暮らしを覗き見する事が習慣になっていた。レイチェルにとってヒップウェル夫妻は理想の夫妻に思えた。
一方、メガン・ヒップウェル(ヘイリー・ベネット)は、産んだ子供を浴槽で溺死させた過去があり、そのトラウマから逃れようと、アブディック医師のセラピーを受けていた。
ある時、電車に乗っていたレイチェルは、メガンの不倫現場を目撃する。レイチェルは、ヒップウェル夫妻を理想の夫婦だと思っていたレイチェルはショックを受け、また、メガンに対して怒りを感じた。
メガンを叱責しようと思い立ったレイチェルだったが、酒を大量に摂取していた為、途中で気を失ってしまう。
目を覚ますと、レイチェルは自宅にいた。記憶は殆ど残っていない。そこへ、ライリー刑事がやって来て、メガンが行方不明になったと知らされるのだった。
この映画の魅力
推理小説の雰囲気が好きな人は、楽しめる内容になっているのではなかろうか。BGMのない中、登場人物の落ち着いた語りにどこか心が癒される。
レイチェルは結婚に未練がある「痛い女」そのものだが、社会から爪弾きにされながらも、前を向いて行動しようとする。ジメジメと部屋に引きこもる事もなく、外界で起こっている変化を察知して、行動を起こす勇敢さを持ち合わせている。(そのやり方が周りの人に全然受け入れられていないあたりが、痛いところではあるのだが)
また、アメリカ社会ではセラピーというものが一般的に受け入れられているようで、登場人物の何人かは、アブディック医師のセラピーを受ける事になる。
個人的には、このセラピーの描写が好きだった。海外ドラマにおいて、セラピーはよく登場する要素で、セラピーを受ける側は、お金を払って話を聞いてもらうお客様の立場にあるのだが、日本のような「お客様は神様です」思想はなく、医師はリラックスした状態(日本でこんなことをすると怒られるような体勢)で診察するし、相手を持ち上げる様子もない。
隠している事があれば、容赦なく、あくまで論理的に、「それが扉を開けるキーなんだ」と言わんばかりに追求する。(おまけに社会的地位もそれなりに高そうで、経済的競争からある程度独立しており、おしゃれな家に住んでいる)
メガン役はヘイリー・ベネットという女優なのだが、マッチポイントに出ていた頃の、スカーレット・ヨハンソンのような妖艶さがあって、非常に美しい。
メガンは過去のトラウマから子供が嫌いなのだが、ベビーシッターの仕事をしていたり、美しさの裏側にある毒のようなものも、うまい具合に表現されていた。
全体として
ある程度経験を積んだ大人は、楽しく鑑賞できる映画なのではないだろうか。10代20代が見てもあまり面白くないかもしれない。
それにしても、マッチポイントに出ていたスカーレット・ヨハンソンも、本作のヘイリー・ベネットも、外見は非常に美しい女優なのだが、物語の中でストレスを抱えて、ヒステリックに泣きわめく姿は醜く見えてしまった。
(海外の女優は、そういった人間臭さも表に出してしまうところがすごいと思う。日本の女優だと、なかなか涙と鼻水でぐちゃぐちゃというところまではいかず、アイドルのパッケージ感を残したままだ。一般的にどちらが良いかはなんとも言えないが、私個人としては、世間体に侵食されたものよりも、そうした人間臭さのある海外の女優の方が好きなのだが)
大人度 ☆☆☆☆☆
陰鬱度 ☆☆☆☆☆
ストーリー ☆☆☆☆☆
オススメ度(一般的な)☆☆
オススメ度(個人的な)☆☆☆☆☆
一般受けは明らかにしなさそうだが、かっこいいスーパーマンみたいな登場人物よりは、等身大で影を抱えた登場人物を見ている方が落ち着くという人は、この映画を一度ご覧になって見てはいかがだろうか?